「川越という街で、長く続けていく」——10年の歩みと、電子カルテ選びの原点。

JR・東武東上線「川越駅」から徒歩1分に位置するティアラクリニック川越院。2016年の院長就任から10年、地域密着で美容医療と保険診療を提供しながら、YouTubeチャンネル登録者12万人超という全国的な認知も獲得されてきた髙橋貴志院長に、クリニック経営のリアルと電子カルテ活用について伺いました。
クリニックのコンセプト・開業の経緯をお聞かせください。
ティアラクリニックは当時、全国に7〜8院ありましたが、私が2016年6月に川越院を買い取る形で引き継いだのが始まりでした。川越という街は都心・池袋から電車で30分の距離でありながら、昔ながらの上品で温厚な雰囲気があって、人がすごく優しいんです。この街で質のよい美容医療を提供したい——そんな思いで、「埼玉ナンバーワンを目指す」と心に決めてスタートしました。
患者様はどのような方が多いですか。
地元・川越近郊の方はもちろんですが、YouTube「たかし先生のキレイ美容ch」の開設をきっかけに北海道から沖縄まで全国からお越しいただくようになりました。最近は駅で「たかし先生ですよね」とお声をかけていただくこともあり、ありがたい限りです。また、開発に携わった経緯のあるPOTENZAや、ピアストラブルのホールを温存して治す保険治療、入れ墨の除去などの患者様も多くいらっしゃいます。
電子カルテ(ACUSIS)を導入されたきっかけを教えてください。
導入のきっかけは、プロ・フィールドさんの営業担当の方との出会いでした。クリニック課題にしっかり向き合って対応していただいた記憶があります。また、ティアラクリニック専用のアプリをリリースしてくれる「診察券アプリ」というサービスが斬新で、他にも美容クリニックに特化した機能が豊富に揃っていたため、即決に近い形で導入を決めました。
診察券アプリの導入時には、思いもよらぬエピソードがあったそうですね。
「診察券アプリ」のサービスはアプリを管理するアメリカで審査が必要でした。しかし個人事業主で審査が通った前例がなくプロ・フィールドさんも苦労されていました。そこで「それなら私が直接Appleに電話してみます」と国際電話で何度か掛け合った結果、審査を通すことが出来ました。あの時のやり取りはプロ・フィールドさんとの関係を象徴する出来事だったなと思っています。
導入にあたり、特に重宝された機能はありますか。
「診察券アプリ」は台風や大雪で午後の診療を急遽取りやめる、といった時のプッシュ通知が本当に大きかったです。メールやホームページの案内では、患者様は気づかないまま来院してしまう方が多々ありましたが、プッシュ通知ならリアルタイムで通知できて重要なお知らせを確実に伝えられる!これはクリニック運営の安心感として大きいものでした。
CTI機能も導入当初からずっと使用しています。電話がひっきりなしに鳴る当院では、着信と同時にポップアップで患者様情報が把握できるのは、今でも受付スタッフにとって手放せない機能になっています。
クラウド化で広がった「できること」。10年のパートナーシップが支える、質の高い美容医療。

移転・増床を経て、クラウド版への切り替えもされたのですよね。
そうですね。患者様が増えて病院が手狭になり、隣の広いビルに移転したタイミングでクラウド版への移行を進めました。ただ、移転と同時だとスタッフ負荷が大きいとのアドバイスから、まず移転し落ち着いてからクラウド化へ段階的に進めました。結果的に正解でした。
クラウド化して驚いたのは、「できること」がとても増えていたことです。たとえば、要注意の患者様に紫色の印をつけ、院長指名の方にはオレンジ、アレルギーのある方には青——といった複数のラベル管理ができるようになっていたり、カルテを開いた瞬間に「この患者様はこのワードに敏感」といった注意事項がポップアップで全スタッフに共有されるようになっていたり。オンプレ版の頃に「こんな機能があったらいいのに」と担当の方に雑談レベルで伝えていたことが、ほぼ全部実現されている印象でした。
クラウド化によって、ほかにも変わったことはありますか。
私だけに権限を絞って、自宅からもACUSIS Cloudにアクセスできるようにしていただきました。先日、治療機器の開発者として英語論文を執筆した際、「あの患者様のカルテ、どうだったかな」と自宅から確認できたのは本当に助かりました。セキュリティを担保しながら必要な時に必要な人だけがアクセスできる仕組みは、クラウドならではの柔軟性だと感じています。
ネットワーク環境についても、プロ・フィールドさんから信頼できるパートナー企業をご紹介いただき、院内のWi-Fi設計を最適化していただきました。患者様用のWi-Fi速度を抑えて、業務用PCの速度を最大化するといった細かな調整まで対応してくれる職人のような方々で、ランニングコストも抑えながら安定した環境を維持できています。経営の視点から相談に乗ってくださり、心強い伴走者になってくれています。
業界環境の変化について、どうお感じですか。
美容医療業界は、大手による価格破壊と短期間修行での独立開業が広がり、安さで集まった患者様が、質の問題で泣き寝入りしているケースも少なくありません。
「ハーバードの経済学者リチャード・ダビニが提唱した『どの業界も安さと悪さで伸びていっても顧客は最終的に少し高くても質のよいものに戻ってくる』という説を信じて、価格競争には巻き込まれないよう、質のよい医療を適切な価格でご提供する姿勢を貫いています。幸い当院には、その方針に共感してくださる患者様が集まってくださっています。
保険診療との両立にも取り組まれていますね。
美容で来院された患者様が、「近所の皮膚科に行ってください」と二度手間になるのを避けたくて、隣のテナントを借りて保険診療を同じフロアで完結できる仕組みを整えました。混合診療にならないよう、一度クリニックを出て隣に移動していただく運用で、監督省庁にも適切であるとお墨付きをいただいています。
美容と保険、どちらも患者様に寄り添える体制を、ACUSIS Cloudの保険機能でスムーズに回せているのは、本当にありがたいですね。
今後のクリニックの展望をお聞かせください。
川越の地でしっかりと根を張り、質の高い美容医療を提供し続けることが、私たちの変わらない方針です。副院長とも10年、スタッフとも長く一緒にやってきて、ようやくこのクリニックのスタイルが形になってきたと感じています。
YouTubeをはじめとした知識と技術の発信も丁寧に積み重ねて、必要な方にきちんと届ける——そんなスタンスで続けて、地域の皆様、全国からお越しくださる皆様、どちらにも誠実に向き合える医療機関であり続けることが、今後も変わらない目標です。
これからACUSIS Cloudに望むことはございますか。
カウンセリングの会話を自動で文字起こしして、AIがカルテ入力を助けてくれるような機能がリリース目前と聞いています。このような機能があると本当に助かりますね。保険診療の加算点の取り忘れをAIがチェックしてくれる、といった仕組みも、保険診療の精度を高める上で心強いと思います。
何よりありがたいのは、サポート体制が本当にしっかりしていることです。何か困ったことがあればすぐに答えが返ってくる。10年のお付き合いの中で、営業・サポート・技術——どのチームの方も、クリニックの事情に寄り添って一緒に考えてくださる。これは他社ではなかなか得られない価値だと感じています。これからも、長く一緒に歩んでいけたら嬉しいです。
本日はお忙しい中、ありがとうございました。
院長プロフィール
略歴
1998年 徳島大学医学部医学科 卒業
2000年 東京医科歯科大学 皮膚科 入局
2015年 ティアラクリニック川越院 院長
資格・所属学会
国際皮膚科学会(ISD)指導医
米国皮膚科学会(AAD)専門医
欧州皮膚科性病科学会(EADV)専門医
米国レーザー医学会(ASLMS)専門医
欧州レーザー皮膚科学会(ESLD)正会員
大韓皮膚研究医学会(KSID)終身会員
日本皮膚科学会(JDA)正会員